年齢表記の「行年と享年」は何が違うの?

のぼりとの杜コラム

葬儀の時に位牌に書かれている年齢表記でよく目にするものに「行年」と「享年」があります。
「行年88歳」や「享年86歳」といったものです。

普通に○○歳としてくれればわかりやすいのに…と思いますが、そこは仏教儀礼に伴う故人様の年齢表記となるもの。わかりやすく説明しますのでちょっと覚えていただけたらと思います。
詳細なるお話しもあるのですが、そこは省いていつものようにわかりやすくいきたいと思います。

行年とは
この世に生まれて、何歳まで生きたのか。すなわち満年齢のことを言います。
みなさんの年齢は今、何歳ですか?私は48歳です。もし、私が今の年齢で亡くなったら「行年48歳」となります。一番わかりやすいですよね。

享年とは
この享年が少しややこしいかもしれません。
享年とは命がある(この世に生きた)年数を言います。お母さんのお腹で命を授かった時が0歳。オギャーと産まれて来たときが1歳となります。満年齢に+1をした年齢と考える「数え年」と思っていただくとわかりやすかもしれません。これが享年にあたります。
私は48歳ですので、今亡くなったら「享年49歳」ということになります。

ちょっとPOINT!~享年の考え方
享年はこの世に生きた年数で数えます。一年は12月31日で終わり、新しく1月1日から始まります。これが考え方の基本です。誕生日で数えるというよりも、1月1日を何回迎えて生きたか。ということになります。ややこしい(>_<)

わかりやすく例を挙げてみます。誕生日が12月20日とします。
お母さんのお腹に命が宿った時が0歳。
12月20日にオギャーと生を受けた瞬間から1歳。
すぐに1月1日を迎えます。享年はここから2年目の人生が始まる考えた方なので、もう2歳を迎えることになります。
すなわち、満年齢ではまだ0歳ですが、享年では2歳になるのです。
また、新しい年を何回迎えて生きたか。という意味からも、「享年○○」と歳を付けずに表記するご住職もいらっしゃいます。

まとめ
行年や享年の違いについて説明しましたが、実は宗派によって使い方が決まっていたりするなどの細かい規定はないそうです。考え方や表記はややこしいですが、これはお寺様やご住職によっても考え方が違います。満○○歳と書かれるご住職もいます。
戒名の脇に書かれている年齢が亡くなった時の満年齢と違っていて「何で?」と思う方もいると思いますが、実はこんな考えがあったのです。

菩提寺のある方はご住職にあらかじめ「年齢の表記の仕方」を聞いてみると良いかもしれません。
実に奥が深い話であります。。。