葬儀が終わってからひと息つきたいところですが、黒塗りの位牌作成など49日に向けた準備やお香典返しの手配、役所関係での手続きや年金の停止、各名義変更等、故人様の生きた証でもある諸整理は残されたご遺族の大切なお仕事となります。
その中でも、ないがしろにして欲しくないのが『相続』です。
相続のお話しをすると「我が家は財産はないから大丈夫」や「子供たち含めてみんな仲良しだから平気よ」などと答えが返ってくることが多い実情があります。
確かに円満に何もないことが一番なのですが、ひと言で『相続』といっても多岐に渡ります。
金銭の相続はもちろんですがその他にも不動産、車、有価証券(株など)、ゴルフ会員権、生命保険の受取、貴金属類、住宅ローンや各種ローン、クレジットカードの債務などなど多くの物が相続財産となります。
プラスの財産もマイナスの財産も対象です。
いわば、故人様の預貯金10円であっても相続したとなれば単純承認(無条件で相続をしたとみなされる)として扱われます。
その後、考えてもみなかった相続財産(プラスもマイナスも)が判明してもすでに単純承認していますので相続しなければなりません。
相続するか否かの決断は故人様の死亡を知った日から3か月以内と定められています。
そのわずかな期間に相続財産には何があるのか調査をする必要があるのです。
相続税の支払いの義務が生じるのか否か、相続人は何人いるのか、財産分与はどのようにするのか(遺産分割協議書を交わすのか否か)などはとっても重要なことです。
「まさか!こんなマイナス財産があっただなんて!!」と頭を抱えるケースも実際にあります。
相続するためには書類も多くなります。故人様の出生からの戸籍謄本もすべて必要です。
相続は残されたご家族の大切な義務です。しっかりと向き合うことが大切です。
ご心配な方は是非、葬儀の打ち合わせの時に相続についても相談してみてください。
今は葬儀屋さんは葬儀だけを請け負うのではなく、相続など葬儀後のフォローもしっかりとしなくてはいけません。葬儀社を決めるひとつの指針にしていただけたらとも思います。
最後に・・・。
安心を得るための一番の特効薬はもちろん相続も事前相談になります。