川崎市のコロナ火葬の現状

のぼりとの杜コラム

緊急事態宣言も解除となりました。ワクチン接種率もアメリカを抜くほどにもなり、新規感染者数が減ってきたことからも、この先の光明が見えてきたように感じています。
しかしながら、個々の感染拡大防止に対する意識を変えてはいけません。まだまだ、この難解な敵「コロナ」の行方はどう転ぶか未知なところもあります。
再拡大、次の波を防ぐためにも、今回の緊急事態宣言解除から気持ちを新たにリスタートとしていきたいと思います。

さて、緊急事態宣言の解除はされましたがコロナ肺炎が原因でお亡くなりの方がゼロになるということはありません。今もなお、命を落としている方がいるのが現状です。
コロナ陽性者が病院や施設でお亡くなりの際は、今までと変わらず棺と納体袋(ご遺体を密封する袋)を持参しお迎えに上がります。病院内では防護服着用。もちろんご家族も病室にはいません。
病院によっては棺の消毒をすることもあります。
これは、これまでと変わらない光景です。ご家族のお気持ちを察すると、「何とかならないものなの?」と悔しさでいっぱいです。今しばらくはガイドラインに従ってということは否めないようです。

川崎市のコロナ陽性者の火葬の流れですが、少しずつですが緩和は見られます。
川崎市の斎場は『かわさき北部斎苑』と『かわさき南部斎苑』の2箇所です。火葬場とやり取りをする中で、このどちらかの斎場で火葬ということになります。
収骨の立ち合いも現状は不可のままです。
しかしながら、両斎苑とも人数制限はあるものの最後のご対面が可能になりました。ただし、ご対面は“棺の小窓”越し。お棺の蓋を開けることはできませんが、そこでご焼香もすることができます。
たったこれだけでも、以前は叶わなかったことです。病院でも合えず、自宅へのお戻りもできず、次に会う時はお骨の形で…。こんな状況でした。
最後にお顔を見て、感謝の言葉を伝えられる時間が作れることは葬祭従事者の我々からしても喜ばしいことと思います。

今回は、川崎市のコロナ陽性者の火葬場の現状をお伝えしましたが、これ以上は悪い方向にはいかないと思います。ワクチン接種率も上がり、良いカタチになっていくはずです。
早く、葬儀の現場も以前の形に戻れるよう私たちも最善の努力をしていきたいと思っております。