遺骨を宅配便で送ることは可能?

のぼりとの杜コラム

先日、こんな相談を受けました。
「葬儀を終えてご遺骨をご自宅に安置し、お墓を検討していたが両親の田舎のお寺さんの永代供養墓で受け入れてくださるとのことで安堵しています。遠方なので出向くのが難しく、ご遺骨を宅配便で送っても良いですか」

納骨も選べる多様化時代です。供養の方法を葬儀後にゆっくりと考える方も少なくありません。
>>過去コラム「お墓が決まっていない場合の四十九日」

また、お墓の引っ越し(改葬)をすることに決め、田舎のお墓のご遺骨を近くのお墓に移す際にもこのような相談を受けます。
>>過去コラム「お墓じまいやお墓の引っ越しの手続き」
>>過去コラム「お墓の引越しやお墓整理の費用は?」

ご遺骨を宅配便で送ることは法律的には問題はありません。しかしながら、大切なご遺骨です。運搬の途中での破損などの補償の問題も出てきます。

ほとんどの宅配会社がご遺骨の取り扱いは行っていない
大手の宅配会社のほとんどが『ご遺骨の取り扱いは行わない旨』を掲示しております。荷物扱いではあるものの、先に申したように人の魂を運びます。破損の際の補償などが難しいことが理由に挙げられます。

日本郵便のゆうパックのみが取り扱い
現在では郵便局での“ゆうパック”のみがご遺骨として取り扱ってくれます。30kgまでのご遺骨で取り扱い可能です。
ご遺骨(骨壺)を養生することが必要です。段ボールに骨壺を入れたら梱包材などを使用しガタガタを動かないようにしっかりと保護してください。左右はもちろん天地の空間も梱包材などで敷き詰めます。すなわち「動かない」「割れないように」が基本です。個人的にはタオルで包むことをおすすめします。
送り状にも『遺骨』と記入しましょう。集荷や持ち込みの際にも口頭で「遺骨です」と申し出ることで郵便局側もきちんと認識してくれます。

その他の注意点
長くお墓に入っていたご遺骨(骨壺)は長年の湿気等で骨壺に水が溜まっている場合があります。送る前に骨壺を確認して、水が溜まっている場合にはできる限り抜くようにしてください。
そして、送る際にはゆうパックの損害補償付帯サービスを利用するとより安心です。

扱いは荷物となりますが大切なご遺骨です。できることならご自身の手によって運ぶことが一番ではありますが、宅配を利用する方の諸事情もあるかと思います。
少しでも参考になれば幸いです。