『三途の川』ってどんな川なの?

のぼりとの杜コラム

「夢の中で川の向こうで誰かが叫んでいたんだ。こっちへ来るなと。そこでふと目が覚めたんだよね。」
私が大学生の時に交通事故で意識を失い病院に運ばれた友人の言葉です。友人は幸いにも病院に運ばれすぐに意識を取り戻したんですが、今でも「三途の川だったのかなぁ」と言っています。

この『三途の川(さんずのかわ)』ですが、昔話や現代の今でも耳にする川です。皆様はどのようなイメージをお持ちですか?

三途の川は、この世とあの世の間に流れる川と言われています。現世のこちらから天国へのあちら側に向かう途中に流れる川ということになります。境界の川ですよね。
三途の川を渡ると死後の世界が待っている。友人の話しにも妙に納得させられます。当時は「なんだ?その話しは!?」くらいにしか思っていませんでしたが、この仕事に就いてからはこのような経験をしたという話しを耳にすることも多く、三途の川は本当にあるのではないかと思う次第であります。

さて、三途の川には緩流、急流、激流と三つの瀬があるそうです。渡るのであればそれはみんなが緩流を選択しますよね。でも選択権はありません。生前の行いにより決まります。行いがよければ緩流を、罪多き者には急流を。天国へ行くのにも大変なわけであります。
そこをお金で何とかしましょう!?というわけではないですが、三途の川を渡る船があり、船頭さんにお金を渡して三途の川を越える。これには“六文”の支払いが必要だったようです。これが六文銭です。印刷した六文銭を故人様の胸元やお棺に入れたご経験もある方はいらっしゃるのではないでしょうか。
地域によっては今でもお札を入れたりする所もあるようです。

三途の川は渡り切ってしまうと死の世界。死後七日後に渡るそうです。初七日法要には無事にあちらの世界へ迎えますようにとの祈念も込められると聞きます。
わかりやすく簡単に三途の川についてお話ししましたが、『実は川に架かる橋はある』などの諸説あります。どれが何が正解なのかはわかり得ませんが、どうやら知る人のみぞ知る川には間違いありません。
いずれにせよ急流、激流は嫌なので今からでも「おっ、あなたは緩流域へ行きなさい」と言われるような行動をしていこうと、このコラムを書きながらリマインドしている次第です(;^ω^)