「乾杯」と「献杯」の違いは?

のぼりとの杜コラム

葬儀が終わってあとのお食事の席では「献杯」の発声から会食が始まります。
葬儀だけでなく法事の際にも「献杯」と発声します。
「乾杯」ではなく「献杯」と発声するのはなぜ?今回は「乾杯」と「献杯」の違いについてのお話しです。

乾杯とは皆様も様々な場面でご経験があるかと思います。歓送迎会や忘新年会、謝恩会や結婚式、また通常の飲み会なんかでも乾杯!とグラスを交わしますよね。
乾杯は参加した人達の健康やこれからの繫栄を祈念して、その場の意気を高め盛り上げるためのものです。「かんぱ~い」と元気よく、そして、お隣同士で高らかにグラスを重ねます。また、乾杯の後には拍手をすることが正式な乾杯の儀と言うそうです。
みなさまもイメージが沸くのではないでしょうか。

反対に献杯とは、故人様に敬意を表すためのものです。故人様へ「献(ささげる)杯(さかずき)」という思いが込められています。
挨拶の後に「献杯」と発声した人の後に、「献杯」と唱和し、グラスを胸元ほどに軽く持ち上げ、一口飲みます。この時、グラスを隣の人と合わせたり、目線以上の高さに上げたりしないように注意しましょう。地域によっては献杯酒が食事の前にあらかじめ用意され、お酒が飲めない人や未成年の人でも口にする模倣をするそうです。本来は故人様を偲び、お酒(特に日本酒)が入った杯を皆で捧げる儀式でしたが、近年は各々のお好きなお飲み物をグラスに注いで献杯をすることが一般的となりました。
もちろん、故人様の御霊にも生前お好きだった飲み物を忘れずに添えてくださいね。