葬儀と結婚式。どちらも人生における大切なセレモニーです。
もしも、葬儀と結婚式の日にちが重なってしまった場合はどちらに出席したら良いのか迷うところですよね。
どちらが「良い」と断言するのは難しいですが、優先順位としては『1.葬儀 2.結婚式』となるのではないでしょうか。葬儀は故人様とのお別れの最後の場です。後から参列したかったと悔やんでも、葬儀は一度限りです。諸事情により、結婚式に出席する場合は、葬儀に弔電や供花を送るなどし、日を改めてご自宅等にお参りをさせていただくという方法も良いのではないでしょうか。
この辺りは故人様との関係性も考慮することが大切です。
喪に服している期間だけど結婚式に参列していいの?
喪に服している期間というのは、忌中と喪中があります。
忌中…四十九日までの期間
喪中…一周忌までの期間
一般的に、この期間に結婚式を含め慶事や祝い事、神社への参拝は控えた方が良いとされています。どうしても参列したい場合は新郎新婦に相談して、理解を得ましょう。
妊婦さんは葬儀の参列はNG!?
葬儀の相談の時に「娘が妊娠中なのですが、妊婦さんは葬儀には参列してはいけないと聞いたことがあるのですが…」と質問を受けたことがあります。
その方に理由を伺ったところ
『赤ちゃんに霊が憑りつく』
『赤ちゃんもあの世へ連れていかれる』
などの話を耳にしたとのこと。どうやら、そのような慣習がある地域があるようです。
しかしながら、妊婦さんが葬儀に参列してはいけないということは決してありません。考慮すべきことは体調であったり、葬儀の時は移動も多いので体力的なことであったりと、妊婦さんの不安がないことが一番であります。
迷信とはいえ、地域慣習に根付くものが葬送儀礼でもありますので、その辺りは親戚の方や地域の方の意見も伺ったうえで判断することが良いでしょう。
どちらも大切なセレモニー
葬儀と結婚式が同日で、時間がずれている場合は、両方に参列・列席しても問題ありません。
あるご住職は「むしろ、両方に出席できるといいですね。また、喪中でも結婚式は延期しなくてもいいと思いますよ。大切な人生の節目ですし、準備もされてのことですから」とお話しされていました。
日本では慶弔事に対する考え方は地域によって様々です。また、縁起を大切にする日本古来の奥ゆかしさもあります。迷信であっても噂であっても「地域慣習とその式典に関わる人たち」の背景や考え方を参考にすることが一番望ましいのかもしれません。