葬儀に参列すると、お清めの塩をもらうことがありますよね。会葬御礼品や会葬のお礼状とともにいただいた経験もあるのではないでしょうか?
今回はお清めの塩の意味合いと塩事情についてお話します。
◆お清めの塩の意味合い
お清めの塩は、身を清めたり、邪気を払うといった意味があります。
このような考えは、神道から伝わったと言われています。神道では死によってもたらされる穢れ(けがれ=気が枯れてしまっている状態)を嫌います。その穢れを払うためにお塩を身体にかけます。
◆使用するタイミングは?
葬儀に参列して家に帰って玄関に入る前に胸→背中→肩→足元の順にお塩をかけます。身体に残ったお塩は軽く手で払ってから家の中に入りましょう。
お清めの塩は食用ではありませんので、余ってもお料理などには使用しないように注意が必要です
◆最近のお清め塩事情
仏式の葬儀では、お清めの塩は不要であると考える傾向にあります。その理由として、実は仏教では〝死〟を穢れとする考えがないからです。意味合いの項でもお話ししましたが、塩は〝死〟を穢れとする神道の考えであり、事実、お清めの塩は不要と唱えるご住職も多くいらっしゃいます。
主な宗派として浄土真宗は元来より塩は不要という教えです。死というものは
「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)=亡くなった方は必ず仏様になる」
としているからです。ちゃんと仏様になるんだから清めることなんてないよ!という意味ですね。
しかしながら、昔より「葬儀=塩」という習わしが身に付いている日本人として、今でもお清めの塩が葬儀では普通に用意されているケースがほとんどかと思います。いくら“今回の宗派では不要です”と言われても何となく葬儀の後に塩がないと違和感を覚える方も多いものです。
『お清めの塩は必ず行わなければならないというものではない』
このことを覚えておいていただき、ご自身のお考えの中でお清めの塩の使用の有無を判断いただくことで良いのではと思います。
お清めの塩が用意されていない葬儀でもスタッフに声を掛ければすぐにお渡ししますので、ご安心ください。