葬儀の知識とマナーVol.17 「葬儀のお食事と意味」

のぼりとの杜コラム

通夜・葬儀の時には振る舞いといって食事を用意します。
食べ供養という言葉があるように、食事をしながら故人様の思い出話しをすることも供養のひとつと言われております。
首都圏ではお通夜時は親族のみならず、会葬者にもお食事を振舞います。お通夜振る舞いやお清めと呼んだりするのがお通夜のお食事の場です。
地方によっては会葬者にはお清めのお酒やお弁当をお渡しし、親族のみでお通夜の食事をとる地域もあるようです。

ここでは会葬者用も含め用意する料理の目安をお話しします。お通夜は不特定多数の方が参列しますのでお寿司や煮物、天ぷらなどを大皿で準備するケースがほとんどです。
注文の目安としては親族は人数分、一般会葬者の方は参列の予想人数の半分から7割程度で用意します。これは、会葬者の方はしっかりと食べるよりも少し箸を付けて散会する方が多いことによります。例えば100人の一般の参列予想であれば50人分~70人分の用意となるわけです。
親族分は参列する人数が、ほぼわかっていると思いますので人数分の用意となるわけです。
お通夜のお食事は式が終了し19:00前後になります。「お忙しい中、来てくださりありがとう。さあ、お腹も空いたと思います。是非、召し上がっていってください」とご家族からの振る舞いでもあるのです。


↑通夜振る舞いの一例。お寿司や天ぷら、煮物の他にローストビーフもあります。

葬儀の食事は「精進落とし」や「お斎(おとき)」、宗派や地域によっては「直会(なおらい)」と呼んだりします。ご親族にご用意するお食事となります。「参列いただき感謝いたします」と故人様からの感謝の意を代弁しご家族が席を用意するものです。
首都圏では、火葬場で収骨を待っている間に控室で席を設けたり、収骨が終わった後に会場を移して席を設けます。精進落としは御膳や懐石料理を用意するケースが多く、葬儀に参列する方の親族分を用意します。
精進落としとは「精進料理を落とす」すなわち精進料理は今日でおしまいという意味です。精進料理は生ものや肉類は避ける料理です。元来の意味は49日の忌明けのまで、故人様が無事に成仏しますようにと願いを込めて生ものや肉類を避けていたもので、忌明けとともに(49日の旅を終えて無事に天国へ旅立つ)生ものや肉料理の解禁になり精進料理は今日で終わりということで精進落としと呼ぶようになったと言われております。また、故人様に捧げる意味で「献杯(けんぱい)」をする地域もあります。くれぐれも乾杯ではないので、グラスを掲げたり、近くの方とグラスを合わせたりしないようにしましょう。なお、献杯が不要な宗派もありますので葬儀社の方に確認してみてください。


精進落としの一例。

用意する食事内容は地域の特性もでます。私の実家の新潟では、なんと赤飯が出ます。赤飯と言っても醤油で味付けしたもので赤くはない赤飯です。さらには紅白のお饅頭もでます。お祝いの意味が込められているそうです。

昨今は本来の意味に捉われることなく参列していただいた方に喜んでもらえるお料理を用意するケースがほとんどです。故人様がお好きだったお料理を用意されるのも素敵だと思います。
ご葬儀では故人様が取り持つ縁もあり、皆様が久々に介する場でもあります。故人様に感謝の意を表し、お好きなお料理やお飲み物を囲んで皆様で故人様を語る場にしていただくことが故人様にとっても最良のひとときではないでしょうか。

 


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