葬儀に関する文章には「句読点がない」その理由とは?

のぼりとの杜コラム

今回はちょっとしたシリーズにもなっている!?「知っていたらハナタカさん!知らなくてもあたりまえ!!」の葬儀豆知識をお届けします。

葬儀に関する文章には句読点がない!?
実は葬儀の際に目にする文章には実は句読点がないことがほとんどです。葬儀の際の文章として目にするものとして
・訃報通知(訃報の案内)
・会葬礼状
・香典返しの奉書(御礼状)
などがあります。実際にこれらの文章には句読点はありません。では、なぜでしょう???

知っている人はハナタカさん!!
【その1】
昔は毛筆で文章を書いていた。毛筆は句読点というよりも流れで書いたり、読みやすく間隔(スペース)を空けるように書いていた。その名残で今でも句読点がない。句読点はいつの間にか、文章を読みやすくするために生まれたもの。元来、日本語には句読点などはなかった。

【その2】
葬儀が止まることなくスムーズに終えるようにとの思いが込められている。文章において句読点をいれると途切れた読みになることからの、縁起を担ぐ説。

諸説あるようですが、どちらも日本人の特性が表れていますよね。特に日本人は古来の文化や慣習を大切にします。私自身も元来が昭和人間ですから、こういった文化を大切にすることには賛成です。伝統や文化というものは語り継がれてこそ意味があると思うからです。好き嫌いは個人差があって当然なので、ここでの賛否は避けますが、葬送儀礼は厳粛な場であることを考えると昔からある考え方を残していくことは必要であるなと思います。

とは言え、時代は平成。おっと令和です。お別れの形も選ぶ時代です。オリジナルの礼状や手作りの訃報のお知らせ、またメールやLINEでの通知も主流にとあれば、それは句読点がないと読みにくくて仕方ないですよね。

(あっ、若い世代のメールやLINEの文章には句読点をつけないことが流行り!?なんてことも耳にはしましたが…(・_・;)これは温故知新か!?)

それこそ、この〝葬儀の際の文章には句読点をつけない〟ことを意識してメールやLINEで葬儀の連絡をしたら逆に「どうしたんだ?」と思われそうですし、「おっ、さすが句読点を付けないとは知っているなお主」とは誰も思わないでしょう。

まとめとしての結論
・一般的な葬儀として用意する(用意される)会葬礼状や訃報通知は句読点は付かない。公式ルールや常識マナーとして周知しておく。
・決して句読点を付けてはいけないということはない。しっかりと読んで欲しいオリジナルの礼状や挨拶文であれば、むしろ句読点があって然り。
・メールやLINEでのやりとりもあるのだから、ごく自然体で。むしろ、忌み言葉(過去コラム参照)を避けることを意識したい。

今回の知っていたらハナタカさんの豆知識はいかがだったでしょうか。葬送文化はまさしく温故知新です。良いものはどんどん取り入れながらも古き良き物と融合していけることが必要なのではと考えています。
「葬儀に関する文章の句読点、初めて知ったよ」という方。葬儀に参列することがあった時には、ちょっと着目してみてくださいね。「あっ、ホントだ」と思っていただけたその時が、私の一番嬉しい瞬間です(;^_^A