相続の豆知識「遺留分とは」

のぼりとの杜コラム

あるご家族のお話です。
父親が亡くなり、遺言書が見つかった。
そこには…
「私の面倒をよく見てくれた○○さんに全財産を相続する」
との文言が。
これには家族もびっくり。〇〇さんは親族ではない。確かに○○さんにはすごくお世話になったけれど、私たち家族に残されたお金はないの?

いいえ、民法には家族を守るための法律があります。
それが、遺留分(いりゅうぶん)です。
遺留分とは、法定相続人が、遺産を最低限もらえる権利です。
遺留分請求の権利があるのは、配偶者・子・親
亡くなった方の兄弟姉妹には、残念ながら権利がありません。

遺留分の割合は、相続人ごとに決められています。
例えば、相続人が
①配偶者と子供
②配偶者のみ
③配偶者と親
④子供のみ
⑤親のみ
それぞれのパターンで割合が決められています。

遺留分の請求には期限があります。
期限①:遺留分があることを知ってから1年以内。
期限②:相続が開始されてから10年以内。
このどちらかに当てはまると、時効によって権利が消滅してしまいますので注意が必要です。

今回例を挙げたのは「私の面倒をよく見てくれた○○さんに全財産を相続する」といったケースでしたが、ほかにも
「遺言書に書かれていた自分の取り分があまりにも少ない」
「遺言書には長男の○○に全財産を相続する」
といった場合にも法定相続人であれば、遺留分が請求できます。

遺留分は残された家族を守る貴重な財産です。法律で定められている遺留分について、よく知っておくことが大切です。