お坊さんの呼び名

のぼりとの杜コラム

母は住職と呼ぶ。親戚は和尚と呼ぶ。あれれ、父は方丈(ほうじょう)さんと呼んでるぞ。会話の中では僧侶という言葉も。お坊さんの呼び名は何が正解なの?ひょっとして、お坊さんはいくつもの名前を持っているの?
今回はお坊さんの呼び方についてのお話しです。主な呼び名別に書いてみたいと思います。

僧侶(そうりょ)
僧侶は仏の道に入り、日々の修行、仏教の戒律厳守と修行に勤しむ者を言います。
会社で例えると新入社員からスタートといったところでしょうか。偉くなっても位が上がっても毎日が修行と唱えるお坊さんは「我々は永遠に僧侶です」とお話ししてくれたこともあります。

和尚(おしょう)さん
僧侶と同じ意味ですが、一生懸命に修行を積み一人前として認められると和尚さんとなります。人前で教えを説くこともできる立場です。会社で言うと後輩ができ、先輩としてしっかりと手本を見せる立場といった感じでしょうか。なお、浄土真宗では和尚さんという呼び名は使わないそうです。

お坊さん
和尚さんと同じで意味合いです。ほっこり親しみある呼び名です。

住職
お寺を守り(お寺に住む)運営管理を行う和尚さんを言います。会社で言えば経営者ですね。親子二代でお寺に住むのであれば父が住職になり、息子が副住職と呼ばれたりもします。
曹洞宗や臨済宗の禅宗系では方丈(ほうじょう)さん。日蓮宗ではお上人・お聖人(ともに、おしょうにん)と言います。お寺に住み、守っているので通称、お寺様と呼ぶのはこの謂れです。

実はこの他にもお坊さんの呼び名はたくさんあります。地域柄もあるようです。今回はわかりやすく、よく耳にする呼び名を例に挙げてみました。
お坊さんの呼び名って少し難しかったりもします。私も初めてお会いするお坊さんが、すっかり住職だと思い込み、挨拶をして「私は住職ではありません」とはっきり言われてしまったケースもありました(^^;
住職とはっきりわかる場合はもちろん住職で間違いありません。また、お寺のお名前でお呼びするのも良いかと思います。私もそうすることがあります。
「〇〇寺さま。今日はよろしくお願いいたします。」

参考になれば幸いです。