過去のコラムでもお話ししているように、病院や施設でお亡くなりの後は長い時間の滞在ができません。故人様のお帰り先を決めることになります。
帰り先としては、ほぼ2拓です。葬儀社の安置施設またはご自宅となります。(一部の式場や火葬場で直接、安置が可能な場合もあり)
葬儀社は搬送のご依頼時に必ず故人様のお帰り先を聞くのですが、
「我が家はマンションだから無理ですよね?」
「集合住宅(アパートやコーポ)の4階で、しかも階段しかないからどうすれば…」
マンションや集合住宅にお住いの方からはこのような相談を多々受けます。
イメージや先入観からか、集合住宅では安置が難しいのでは?と思われる方が多いようです。
特に2階以上にお住まいであれば必然的にエレベーターか階段となります。戸建てにお住いの方でも道路から何十段か階段を上ったところに玄関があるといったお家の創りの方もいらっしゃいます。らせん階段の集合住宅の方もいます。でも、ご安心ください。
実際は現地で確認してからということもありますが、マンションの方も団地の方もアパートの方も、ほとんどの方がご自宅にお帰りいただくことは可能です。
私はいつも住み慣れたご自宅にお戻りになれることが一番喜ばしいと考えております。もちろん諸事情で…という方もおられますが、「集合住宅だから無理」と決めつけず、葬儀社や寝台搬送のスタッフに是非、ご相談してみてください。
狭い階段や切り返しが難しい階段の踊り場等ではご家族のお手もお借りしながらになることもあります。ご家族みんなでご自宅までお連れする形になれば、故人様も喜んでいただけるのではないでしょうか。我々も心を込めてご安置いたします。
◆エレベーターのある集合住宅にお住いの方
・あまり知られていませんが、最近のエレベーターには奥に隠し扉があり、そこを開くとトランクのようになっており、ストレッチャーをエレベーターに入れることができるのです。エレベーターの構造やその扉の鍵を管理人さんへ確認しておくのも良いと思います。(←葬儀社も実は助かります(^^;)
階段やエレベーターの奥扉がない場合は正直、大変です。葬儀社の中には現地も確認せず「無理ですね」「厳しいですよ」と案内する会社さんもあるようです。実際には現地の確認や住宅の創りなどをしっかりとヒアリングした上で案内することが望ましいと思いますので、葬儀社選びの際の参考にもしてみてください。