葬儀の知識とマナーVol.4 焼香の作法

葬儀の知識

焼香とは仏式のお通夜、お葬式で故人に対しお香を焚いて拝むことを言います。

焼香の作法に戸惑う方も多いと思います。先の方の真似をしながら、ぎこちなく、何となく焼香をしていませんか?今回は焼香の作法についてお伝えいたします。

◎焼香の作法
まずは基本的な焼香の作法を。
右手の親指・人差し指・中指の三指で抹香(粉末にした樒の葉等で作成した香)を少しつまみ、額の高さまで持ち上げます。(額にいただく、または押しいただくと言います)

次に、炭の入った香炉へ、指をこすりながら落とします。 数珠は左手に掛けておくのが正式です。

◎焼香の流れ
焼香のスタイルは一般的に3つあります。立って行う「立礼」、座って行う「座礼」、そして、座って香炉を手元に置き、順次隣の人へ回す「廻し焼香」です。
その中から、現在の主流でもある立礼焼香の作法をご紹介します。
1.焼香台の一歩手前でご住職に一礼、ご遺族に一礼します。
2.焼香台まで進みご遺影に向かい合掌、一礼をします。
3.焼香をし合掌をします。この時、数珠を両手の親指と人差し指に掛けても良いです。
4.焼香台から一歩下がりご遺族に一礼をし席へと戻ります。

◎宗派によって違う焼香の回数
焼香の回数は実は宗派によって変わります。参列したお葬式の宗派がわかれば、その宗派の作法に従い焼香をするとよいでしょう。
・天台宗 特に定めはありません(1~3回で押しいただきながら)
・真言宗 額に押しいただきながら通常3回行います。
・浄土宗 特に定めはありません。(住職により1~3回と様々です)
・真宗本願寺派 通常1回です。ただし額には押しいただきません。
・真宗大谷派 通常2回です。ただし額には押しいただきません。
・臨済宗 額に押しいただきながら1回の場合が多いです。
・曹洞宗 通常2回です。(1回目は額に押しいただき、2回目は押しいただかずに行います)
・日蓮宗 通常3回を押しいただきながら行います。
ご自身の宗派がわかる方は、焼香の回数を覚えておくのもよいと思います。

参列したお葬式での宗派まではなかなか、わからないことが多いものです。そんな時は故人様に対してお気持ちを込めてしっかりと「1回」の焼香で大丈夫です。

また、会葬者の多いお通夜やお葬式では、あらかじめ宗派に関わらず、丁寧に1回の焼香で行うケースもあります。(葬祭場スタッフより指示がある時はその指示に従いましょう)
よく、焼香台の前で左右に何回もお辞儀をしている方を見かけます。焼香は故人を弔うためのものです。故人に最大の敬意を払うとともに、ご遺族への一礼はご遺族の負担も考えると会釈する程度が良いでしょう。
焼香の順番を待つ際の周囲の方とはお喋りは慎み、お気持ちをお静かに順番を待つようにしてください。

焼香の煙の香りは抹香によって変わり、心も和らぎます。故人様に捧げる気持ちを大切に煙を手向けて差し上げてください。