お香典の歴史
お香典はかつては「食料香奠(こうでん)」と言われ、お米や作物を持ち寄りました。急な事で大変だろうからという事で村同士の方々での相互扶助の考えです。金銭でのお香典は明治に入り都市部から広まり、地方部では大正から昭和初期にかけて始まったと言われております。現在でもお香典には故人へのご供養にお使いくださいと言う意味が込められております。
お香典はいくら包めばいいの?
お香典に包む金額は血縁関係や故人ならびにご遺族とのお付き合いの度合いによって変わってきます。故人様とお付き合いがなくともそのご遺族とお付き合いがあるのであればお香典は包むようにしましょう。
とはいっても、お香典の金額って難しいですよね。
一般的には血縁関係が濃いほど高額となり、両親へは5万円~10万円、兄弟へは3万円~5万円、親戚関係へは1万円、友人、会社の同僚や上司、近隣の方へは5千円くらいが全国平均と言われております。お香典は喪主以外の立場での参列であれば用意するのが正式です。たとえ、両親の葬儀であっても生計を立てている(自立している)子供であれば用意します。
ここでは、一応の目安としてご紹介をしました。しかしながら、お香典には家族での考えや地域性もありますので、周囲と相談の上、お香典を包むようにして下さい。
香典袋の書き方
香典袋は「白黒結び切りの水引」の付いたものを使用します。表書きはボールペンやサインペン等は使わず毛筆や筆ペンで書くのがマナー。その際、薄墨を使用できたらベストです。涙で文字も霞んでしまいますという意味があります。出される方のお名前は謙虚に少し小さめに書きましょう。
さて、表書きですがこれが実に複雑であります。お葬式の形式(宗派等)によって書き方が変わってくるのです。主な宗教別にご説明いたします。
表書き
◎仏式でのお葬式
宗派によって書き方が変わります。
「御霊前」・・・宗派問わず使用できますが、49日を過ぎたら使用しません。
「御仏前」・・・あらかじめ浄土真宗、曹洞宗のお葬式とわかれば御仏前と書くのが正式です。
また、49日を過ぎての法要等は、どの宗派でも御仏前と書きます。
◎神式でのお葬式
「御玉串料」と書くのが一般的です。このほかにも「御榊料」「御神前」でもOK。
◎キリスト教でのお葬式
「御花料」「献花料」と書きます。ただし、香典袋は水引の付いたものは使用せず白無地の物を
用意しましょう。
※袱紗(ふくさ)に包んで弔問するのがマナーです
<お香典袋の書き方例>
香典袋 不幸が入ってこないようにと香典袋を閉じる際は下→上の順で被せます。
中袋 お札の向きに注意してください。
お香典に際しての注意点
最近では、お香典を辞退するお葬式も多く見受けられます。そんなときは無理に渡そうとはせず、ご遺族の心情に沿って謹んで辞退するのがマナーです。
お葬式は突然の事がほとんどです。参列するお葬式の宗派がわからないケースも多いものです。そんな時は慌てず騒がず最低限のマナーに注意して表書きに「御霊前」と書くようにしてください。あと、くれぐれもお金の入れ忘れには気を付けて下さいね。これも実際に多い話なのです。