コロナウイルス感染者が病院で亡くなったら?

のぼりとの杜コラム

コロナ感染者の人数からすると、一次のピークは越えたように思えますが、コロナでお亡くなりの方は現実、今でも多くいらっしゃいます。

本日もコロナウイルスで入院されている方がお亡くなりになり、お迎えに上がりましたが、医療関係者の大変さは現場に行くとよくわかります。
今回はコロナ感染者の方が病院で亡くなった場合は、どのようにして病院からご搬送をするのか、葬儀社の実体験としてお話しします。それぞれの病院で対応が異なりますので、参考までにお読みください。

通常と異なる点は、
①ご家族のお立会いがない。
②病院で棺に納める。
③すべてにおいて消毒を行う
通常は、棺には納めずにお身体を防水シーツにお寝かせし、ストレッチャーで搬送のお車までご移動となりますが、コロナ感染症でお亡くなりになると病室でお棺に納めることになります。ご家族のお立ち合いも原則できません。

病院に到着したらまず葬儀社は、受付窓口等で指示を仰ぎます。
病室や安置されている場所に向かい、防護服等を着用してから業務に当たります。手袋、特殊マスクはもちろん、フェイスシールドを着用の時もあります。このあたりは病院単位で異なります。
亡くなった方の血液や体液が漏れないように、ご遺体専用の袋(納体袋)にお納めしてから棺にお納めします。袋は拝顔できるように顔の部分が透明になっている場合もありますが真っ黒の納体袋に納められている場合もあります。
病院ですでに納体袋に納められている時もあれば、葬儀社が病院についてから納体袋への移し替え等を行う場合もあります。棺に納めたら、空気の漏れがないように棺の蓋と棺の境目をテープでしっかり閉じて寝台車に乗せて病院を出発します。指示によっては棺にも消毒を施すこともあります。
看護師さんもご納棺のお手伝いいただけることがほとんどで、大変ありがたいです。

簡潔にではありましたが、病院を出発するまでの行程をお話ししました。
ご家族のお立会いができず、お顔が見られないというのは、何とも心苦しいです。火葬場によってはいまだにご家族の立ち合いもできない火葬場もあります。病院での拝顔もできず、状況によっては次に会う時はご遺骨として戻ってきたとき。直葬であればこういうことにも。本当に心が痛みます。

しかしながら、ご家族の感染症対策はもちろん、故人様との接触の調査やご家族の行動等の把握を行い、しっかりとした認識の上であれば病院を出発後であっても故人様との対面の場面は作れます!
「コロナだから火葬のみ」では悲しすぎます。悔しすぎます。国からのガイドラインはありますが、葬儀はしてはいけないとはありません。
葬儀ができなかったことの後悔をこれ以上、増やさないようにしなくては!!事後葬や骨葬ももちろん供養の形ですが、拝顔して声を掛けて、お肌にも触れてあげて。愛する家族なら当然のことですもん。
先入観とイメージを取り払えるのは葬儀社しかないと思っています。