先日、葬儀の相談の際に同席していた喪主の娘さんからこんな質問を受けました。
「私は見ての通り、髪の色が紫です。美容関係での接客の仕事をしています。ファッションや趣味というよりも仕事をするうえで、必要なアイテムとして髪色を変えています。葬儀の時は黒く染めないといけませんか?」
おばあちゃんが亡くなった相談に同席していたこの方は云わば、お孫さんにあたります。おばあちゃんが大好きで、子どものころからおばあちゃん子であったそうです。
お話しを伺っていても、俗にいう〝外見だけの判断〟で「そんな髪の色にして!!」と周囲に言われるような雰囲気もありません。
確かに、葬儀は厳粛の場であり”相応しいマナー”を求められるのが常です。葬儀のマナー本やインターネットの検索で「葬儀 髪型 マナー」と検索すると『髪色や髪型は葬送儀礼に相応しいものに整えて参列が望ましい』との回答が多く出てきます。これが、王道な答えなのかもしれません。
しかしながら、私は相談時にそのような答えはしませんでした。家族葬であることと、おばあちゃんがいつも仕事を応援してくれていた。弔う気持ちはとても強く、決して事務的なお別れの気持ちではないとすぐにわかったからです。
私のアドバイスは
「参列する際は髪の毛を後ろでしっかりと束ねて、前髪も整え、アクセサリー等は外すなど、清潔感ある身だしなみであれば良いのではないでしょうか。おばあちゃんも、今の○○さん(お孫さん)の仕事のことなど知っているわけですし、髪色も見ていたのであれば、最後のお別れも普段のままでされたらどうでしょう…。」
とても安堵した表情が印象的でした。喪主となるお母さんも「そうだよ。ばあちゃんも黒髪の○○が来たら”おい、どうした?いつもと違うなぁ”って言いそうだもんね」
今回のご葬儀が家族葬(ご家族と近しい親戚のみ)だからこそのアドバイスだったかもしれません。
私の持論にもなるかもしれませんが、葬儀への参列は第一に『弔いの気持ち』が大切です。マナーに捉われず周囲から見ても清潔感ある身だしなみ(弔意を表しているんだな。とわかるような)であれば良いのではと思っています。