遺髪ってご存知ですか?

のぼりとの杜コラム

故人様にまつわる遺品は思い入れのあるものばかりだと思います。燃焼できるものであればお棺に一緒に納めることもできます。
それとは別に、形見などとして持ち続けたい品々も数多くあるのではないでしょうか。

形見とは少しカテゴリーが違うかもしれませんが、故人様の面影として残すもののひとつに「遺髪(いはつ)」があります。あまり聞き慣れない言葉とは思います。
遺髪とは、故人様の髪の毛を形見として取っておくことを言います。
火葬後のご遺骨も然りですが、髪の毛もその人の一部です。その他に爪を残す遺爪(いそう)もあります。云わば、人体の一部をその人の面影として残しておく供養の形です。

遺髪は故人様の髪の毛を少しだけ束にして切ります。主に、ご納棺の時に行います。その遺髪はお気に入りの袋や容器に入れたり自由に保管できます。いつでも身近にいてくれる存在として、遺髪を希望される方も多いです。遺爪も同様な考えです。

遺骨とは異なり、髪の毛や爪は火葬で残りません。
人体の一部として残せるものも限られます。当然ながら皮膚の一部を残せることは非現実的です。そう言った意味からも髪の毛であれば残せます。
仏壇にお祀りする位牌と一緒に納めるも良いでしょうし、普段お使いのカバンやお財布にともにするも良いと思います。お子様やご兄弟、ご親族で少しずつ分けて形見とすることもできます。

故人とずっと繋がっていたいと思う気持ちは必然です。心の癒しとして、また少しでも寂しさを緩和できるものとして、髪の毛を残すことは一考いただけるのではないでしょうか。
是非、その想いをお聞かせください。遺髪は現実的な供養のカタチのひとつでもあるのです。