広がりつつある“分骨供養”の選択肢

のぼりとの杜コラム

『分骨』という言葉を聞いたことはありませんか?
実は、最近は分骨を希望される方が増えています。
分骨とは、ご遺骨(焼骨)を複数に分けることを言います。

分骨を希望する理由
①田舎のお墓(先祖代々のお墓)と現在、住んでいる家の近くのお墓に分けて納骨をしたい。
②すべて納骨するのではなく、気持ち的にも手元に少し残しておきたい。
③海洋散骨や樹木葬での供養の増加。(ご遺骨を取り出すことができないの少し分骨で残しておく)
④親戚や兄弟姉妹間でご遺骨を分けたい。
などの理由が挙げられます。

分骨の手続き
分骨を希望される際には原則、火葬する前に決めておくことが大切です。
いくつに分けるかなどを予め火葬場へ申請しておくことで、それぞれのご遺骨に『分骨証明書』が発行されます。これは、どなたのご遺骨であるかを証明するものになり、分骨してしばらく経ってから納骨をしたいなどと考えが変わった時など、必要になる書類です。
分骨の申請は葬儀社に依頼をすれば手続きをしてくれます。火葬場によっては分骨申請の手数料がかかりますが数百円程度です。

また、お墓の引越しやお墓の整理などの際にはご遺骨を取り出すので、そのタイミングで分骨が可能です。その際は、お墓の管理者(寺院や霊園管理者)に分骨の旨を伝えます。特に菩提寺のお墓をお持ちの方は住職に承諾を得ることが後々のトラブル回避のために不可欠です。〇〇家のお墓を守ってくれているわけですから、くれぐれも勝手に分骨をしないようにしましょう。
分骨の際には寺院、霊園管理者から分骨証明書を発行してもらいましょう。

手元供養として
分骨後は手元供養をするニーズが増えています。今は手元供養といっても様々なものがあります。ご遺骨の成分からサファイアやダイヤモンドを作成することも可能です。ネックレスや指輪に変えて身につける手元供養です。身につけているので、「ずっと一緒にいられるようで嬉しい」と、とても人気があります。


そのほか、小さな骨壺容器も人気です。可愛らしいものやガラス製、真鍮製などバリエーションも多く、リビングや寝室など、普段の生活環境で目にするところに気兼ねなく置けます。お仏壇に置く方もいらっしゃいます。

まとめ
・分骨は法的には全く問題ないので自由に行える
・合葬墓や合祀墓、樹木葬、海洋散骨などは、ご遺骨の取り出しは不可能なので、埋葬する前に分骨を検討する
・菩提寺様をお持ちの際には必ず承諾を得る
・家族や親戚の方とも相談・説明をした上で分骨をする
・分骨証明書は申請しておいた方が無難(後に納骨を選択した際に必要)

私の両親のお墓は樹木葬です。永代供養で遺骨の取り出しができないので分骨を選択しました。やはり少しだけでも手元に置いておきたいという心情的なものが理由です。ずっと近くにいてくれているようで安心感もあります。
なお、分骨は相応しくないとする地域もありますので、周囲とよく相談の上でベストな形で分骨をし、故人様の供養をしていただけたらと思います。