お線香は立てるの?寝かせるの?

のぼりとの杜コラム

みなさまはどのようにお線香を手向けますか?立てる派ですか?寝かせる派ですか?
お線香を手向けるとき、香炉に立てる方がイメージが強いかと思います。
地域によっては二本に折って立てたり寝かしたりと様々あるようです。

仏教の宗派で寝かせる線香が基本の宗派があります。
それは【浄土真宗】です。
浄土真宗では、火をつけた線香を香炉に寝かせます。
香炉に収まらない時は、二つ折りにして火をつけて手向けます。(ご逝去後、すぐの枕飾りの準備状況やご家庭の香炉の形状によっては立たせることもあります)

寝かせる理由は、諸説ありますが、
昔、線香がまだなかったころ、香炉の中の灰にくぼみを作り香木を入れて焚いていた名残と言われています。また、涅槃のお釈迦様に倣ってとも聞いたことがあります。浄土真宗はその名残を引き継いでいる代表的な宗派であります。
寝かせ線香は通常の灰ですとすぐに火が消えてしまうので「わら灰」という火の落ちにくい灰を敷きます。

ここでお線香を手向ける時の注意点を。
ローソクで火をつけた後の線香の火は息を吹かずに、空いている手で仰いで消しましょう。

寝かせ線香は浄土真宗とお話しいたしましたが、お墓でお線香を手向ける時は宗派問わず、寝かせる線香皿が主流でもあります。地域性やお寺様のお考えによっても異なるケースがあります。

立たせても寝かせても、心清やかにお線香を手向けることが、まずは大切であると言うことには変わりはないと思います。