一般的には、病院や施設でお亡くなりになると葬儀社が寝台車の手配をしてお迎えに上がります。そこから、ご指定の場所までご搬送をし、ご安置をするわけですが自家用車で搬送してはいけないのでしょうか。
結論から言いますと、自家用車で故人様を搬送しても構いません。ただし、以下の条件があります。
①ご遺族の車でご遺族が運転する。
②医師から発行される死亡診断書の携行をする。
この2点を満たすことによりご遺族の自家用車で故人様をご搬送することが可能となります。
しかしながら、病室からの車までの故人様の移動。体液等の漏れの心配や感染症の問題、自家用車へどうやって乗せるか、自宅へ到着してから家の中までの移動方法等々、とにかくその作業はハードルが高いですし、危険も伴います。
以上のことを踏まえると、法律上では上記の2点を満たせば自家用車での搬送は可能なのですが、やはり葬儀社にお任せすることが一番の安心、安全ではあります。
予備知識として
人は亡くなると、法律上は貨物扱いとなります。何だかしっくりこないかもしれませんが致し方ありません。貨物扱いとなる故人様を業者が搬送する際には陸運局から貨物車両の認可を受けている緑ナンバー(軽自動車の場合は霊柩・貨物認可を受けた黒ナンバー)を交付された車でのみ可能となります。それ以外の車両での搬送は違法となります。タクシーも緑ナンバーですが認可は旅客自動車運送になるので違法になります。
余談ですが…
実は私の祖母は病院から家まで自家用車で搬送いたしました。新潟の真冬の2月。大雪が降る中の夜でした。当時、小学4年生だった私ですが、今でも鮮明にその時の情景を覚えています。叔母の家までの搬送でしたが、小柄な祖母をセダンタイプの後部座席に座る私と母の膝の上に寝かし、約1時間かけて病院から叔母の自宅へと搬送です。到着した時は猛吹雪と積雪で家の前まで車が入れなくなっており、父と親戚が大きな木の板を叔母の家に取りに行き、担架のようにして祖母をその木の上に乗せ、毛布を掛け、叔母の家まで歩いて連れて行きました。親戚が歩く雪道を作り、田舎なので電灯も乏しいので懐中電灯を足元に照らしながらのとにかくとにかく壮絶な安置作業でした。
何故、自家用車での搬送となったのかは親戚に聞いても不明なままです(;´・ω・)
この夏に帰省できた暁には何とかこの理由(今の私にとっての謎解き)を解き明かしてこようと思っています。