早く火葬しないと遺体が腐る!?

のぼりとの杜コラム

焦りと心理
「遺体は何日間もちますか?早く火葬しないと腐り始めると聞いたので…」
「安置所に預けたら安心なんですよね?」
これは、葬儀の日程を決める時によく聞かれる質問です。
遺体が腐るという表現が相応しいかは別として、正直なところ息を引き取った瞬間から人間の身体は腐敗へとまっしぐらです。

腐敗の進行は遅らせるもの
ただし、怖がることはありません。腐敗の進行は遅らせることはできます。そのためにドライアイスやご遺体保存剤などで処置を施すのです。これにより臭いも抑えることもある程度は可能です。
「クーラーを付けておいた方がいいですよね」
これもよく聞かれます。もちろん外気の気温が低ければ腐敗の進行は遅れます。でも、多少にすぎません。
腐敗は内臓(特に胃や腸)から始まります。外的要素よりも体の内部の冷却が重要です。血流を止め内部から腐敗の進行を遅らせる。これがお身体の保全には必要なのです。

お身体の保全さえしっかりしていれば
毎日の故人様のお身体のチェックや保全をしっかり行い、納棺(湯灌を行うのも効果的)を早めに行うなどをすれば、正直4~5日、いや一週間くらいのご安置は十分可能です。
どうしても『腐る』とか『日程を早めないと』といった焦りや怖さからくる『心理』を優先したお別れになりがちです。関東圏では火葬場の空き状況で待たされることも珍しくありませが、保全処置をしっかり行い、安心した状態でご安置できるのであれば、ご自宅でゆっくりと故人様と通夜や葬儀までを過ごせるのです。

故人様と過ごす最後の空間と時間
否が応でも火葬の日程は決めなければなりません。火葬日までの故人様との過程を一番に考えてもらえたら嬉しく思います。一緒にいることができる最後の時間がご安置から火葬までの時なのです。

註)
お亡くなりになった背景やお身体の状態で早く火葬を進めなければならないこともあります。