精進落としの「落とし?」

のぼりとの杜コラム

『葬儀のちょっと大人の豆知識』今日は精進落としのお話しを。

精進落としと聞いて何をするのかとご存知の方は多いと思いますが、『誰もがわかりやすくの登戸の杜コラム』がモットーですのでわかりやすく説明してみます。

精進落とし:葬儀を終えた後に食べる食事。また、参列いただいた親族への御礼の食事。

本当に簡単すぎるくらいわかりやすく説明してみました。
精進落としという言葉を聞き慣れない方も「あぁ」と思っていただけたり、イメージはできたのではないでしょうか。
でも、何で葬儀の後の食事が「精進落とし?」と思いませんか?
「えっ、何か落とすんですか?」と思っても不思議ではありません。

この「精進」という言葉は日常でも耳にしますよね。
「仕事に精進する」
「精一杯、精進して認められるようになります」
「もっと精進するように!」
言い換えると「頑張る」「努力」となるでしょうか。
では、精進落としに当てはめて言い換えてみます。「努力を落とす」ということになります。
ますます意味がわかりません(;´・ω・)

ちょっと話がずれてしまいましたが、この「精進」とは元々は仏教の言葉からきたと言われております。その言葉の意味は「修行に勤しみ努力する」これが「精進する」に変化する。なるほどぉ。仏教用語は奥が深いです。
その精進に意味するものとして、仏教の教えから『身の清め、肉・魚・酒の断ち』をも精進とあります。身内で逝去があった時には肉・魚・酒を忌明けの四十九日まで口にしなかったのです。肉・魚を使わない野菜中心の料理を精進料理と呼びますよね。
その精進料理の期間(四十九日)を終えて、「今日からは通常の食事に戻してOKです」の意味合いが精進料理を終える=精進を落とす(祓う)=精進落としであります。忌中期間は食事にさえも喪に服すわけです。

ただ、現代にそれをしては辛すぎます。今は初七日法要を当日に行うことが多くなっていますので、葬儀から最初の法要である初七日までを終えて、精進落としとしての意味付けをしています。

まとめてみます。
喪に服す期間の精進料理は終わりました。今日からは通常の食事です。皆様のご厚意に感謝いたします。どうか、召し上がってください。
これが、今の精進落としの意味付けなのです。

補足
地域や宗派によっては精進落としを「精進上げ」「壇払い」「お斎(おとき)」「忌中払い」などと呼んだりもします。