なぜ、葬儀にはお花を?

のぼりとの杜コラム

葬儀には切っても切れない物のひとつに「お花」があります。
・祭壇は綺麗な「お花」の生花祭壇に。
・昔ながらの白木祭壇を「お花」でアレンジ。
・遺影写真のポイントに「お花」を付けて。
・故人様が眠る棺の上や回りに「お花」を装飾しお花畑のように。
・故人様への供花として「お花」を贈る。
・最後のお別れにはたくさんの「お花」を棺に手向けて。
お花は葬儀には必要不可欠の物となっています。

では、なぜ葬儀にはお花が欠かせないのでしょうか。ふと、素朴な疑問に思いませんか?
葬儀とお花の関係性は葬祭ディレクターの手引書『葬儀概論』によると。。。
4万年以上前に北イラクの遺跡で発見されたネアンデルタール人の墓地の人骨の周囲から花粉が発見されました。これは死者を埋葬する際に花を供えていたことを示すと推定される。
と記述があります。
これが葬儀とお花の関係性の始まりかどうかは定かではありませんが、弔いの行為として遠い昔よりお花を手向けていたことは確かなようです。

葬儀ではお花を用意するのは故人様への贈り物の意味合いが強いと思います。
しかし、故人様に向けたはずのお花はどうでしょう。故人様の遺影写真とともに全てこちらを側を向いていますよね。
まるで故人様から私たちに贈られているメッセージのように…。
故人様へ贈ったお花であれば【故人様に向かってお花を飾ることが普通じゃないの?】と考えた方はいらっしゃいませんか?

でも、私たちのほうにお花が向けられていることに理由があるようです。
ある葬儀でのご住職の法話でこんなお話しがありました。
「お花は故人様への贈り物。霊を慰め、どうか心安らかにお眠りくださいと思いが込められます。その思いは故人様へと伝わり、『この綺麗に咲き誇るお花とともに、あたたかく天から皆さんを見守っています。』と今度はいただいた故人様からの御礼の意味で私たち側に向けられるのです。」
心が安らぐお話しです。送る(贈る)側も送られる(贈られる)側も心はひとつで繋がっている。故人様との目に見えないメッセージがお花には込められているんですよね。
もし、葬儀で故人様にお花を贈ることがありましたら、そんな思いを馳せてみてください。

「えっ、俺はお花なんて好きじゃないから焼酎やお酒をたくさん並べて欲しい」
そう思う世の男性陣いらっしゃいませんか?事実、私もそうかもしれません(^^;
でも、お花を貰って嫌がる人は少ないですよね。誕生日、記念日、送別会、お祝い、告白、サプライズetc…。お花はやっぱり嬉しいものなのです。