焼香の時になぜ頭の近くまで手を掲げるの?

のぼりとの杜コラム

焼香の時に抹香をひとつまみして額の辺りまで手を掲げる動作。これって何のためにやるの?
焼香の所作とはいえ、疑問に思いませんか?

額の高さまで手を掲げる所作を『押しいただく』と言います。意味としては“うやうやしく頭の上にささげ持つ”ことです。
では、焼香作法の押しいただくことは何を意味するのでしょうか。

これは「祈り」と「感謝」です。
焼香をするとき抹香をひとつまみ。そして、額の高さに掲げ「成仏しますように」「浄土の世界で見守っていてね」「これまでありがとう」などの意を捧げる。これが焼香の時の額の辺りまで手を掲げる意味であります。

浄土真宗は押しいただくことをしません。浄土真宗では「成仏しますように」などの祈りは必要なく、亡くなった人は必ず浄土へ旅立てる教えであるからです。焼香をする側の身を清め浄化する意となります。

焼香時のあたりまえのようにする所作にはこんな意味があったのです。
葬儀や法事に参列する時の焼香時には是非、意識してみてください。

>>過去コラム「焼香の作法」参照
>>過去コラム「焼香と線香の違いって何?」参照