霊柩車の車内で 垣間見れるもの

のぼりとの杜コラム

霊柩車は式場や自宅(葬儀の場所)から火葬場へ向けて故人様を乗せる車を言います。
霊柩車に乗車しているのは
・運転手
・主に喪主や近親者
・故人様
一般的にはこの3名です。助手席には位牌を持つ喪主様。そうなると必然的に運転手とドライバー、そして故人様の空間となります。
「本当に良い葬儀だった」
「このまま本当に火葬場に行ってしまうのですか?自宅に戻れませんか?」
「この歳になって、やっと亡くなった父の凄さがわかりました」
「運転手さん、この戒名を見てくださいよ。立派な名前を住職に授かりました」
「できるだけ長く母といたいから、ゆっくり運転してください」
「憔悴しきった表情で…」
「ずっとスマホを手に取る喪主様…」
「故人様との思い出話しが尽きない方」
これは、霊柩車の運転手から窺い知れた会話の一例です。
式場から火葬場までの行程は、十数分から火葬場の場所によっては1時間程度かかる場合も。これから火葬場へ向かう喪主様の心中が会話の中で垣間見れると聞きます。
ご家族様ごとに葬儀の背景は異なります。葬儀が終わり安堵する人、死を受け入れられない人、火葬への不安な人、口下手や人見知りな人etc…。

でも、安心してください。霊柩車の中では会話できるのは運転手しかいません。思いのままにお過ごしいただくも良し。運転手とお話しても良し。もちろん、何も話さなくてもOKです。

霊柩車になんて乗ること自体が人生において稀なこと。願わくば火葬へ向けてのより良い空間であって欲しいと思う次第です。