葬儀の知識とマナーVol.24 「葬儀の費用の内訳と仕組み」

葬儀の知識

葬儀社選びをする中で、みなさまが不安に感じることは何ですか?
葬儀費用、式場の選び方、葬儀の手順、葬祭サービス・応対…
人それぞれ、どこを重要視するかは違うと思いますが、中でも葬儀費用がどれくらいかかるかは気になるのではないでしょうか?
今回は葬儀費用の仕組みについてお話しようと思います。

葬儀社のホームページやチラシに家族葬○○円~と書かれているのを見たことがありますか?弊社ももちろん記載しております。
よくある「家族葬○○円~」という金額表示は、葬儀基本セットといって、葬儀で必要になる物品のみが提示されていることが多いのです。
その金額だけで葬儀が行えるとは限りません。葬儀はご家族ごとに全て違いますし、お住まいの地域によっても金額が大きく変動します。

例として、弊社のプランを見てみます。
「葬儀基本セット」には、
・祭壇
・棺
・ドライアイス
・遺影写真
・骨壺
・受付備品
・人件費
等々、葬儀を行うにあたって必要な物の費用です。各種葬儀セットがあり、そのセットごとに含まれる内容が変わります。(ラストメイクが付いたり、棺や骨壺の高級品が付帯、花祭壇のデザイン等)

その他、状況に応じて用意する項目があります。変動費用とも言います。
・ご安置費用(火葬までの日数によって費用が異なる)
・霊柩車や寝台車(走行距離により費用が異なる)
・お料理や返礼品(用意する数によって費用が異なる)
・式場使用料(利用式場によって費用は異なる)
・火葬料金(利用火葬場によって費用は異なる)
などがあります。
これらは、ご家族ごとに金額は全く異なってきます。
また、住んでいる地域によって式場使用料や火葬料金は大きく差がありますので費用に含まれる内訳を確認する必要があります。
例えば、火葬場併設の式場を使用する場合ですが、
東京23区の場合は、式場費:約250,000円、火葬費用:75,000円で、合計325,000円です。
川崎市の公営斎場の場合は、式場費22,500円、火葬費用6,750円で、合計29,250円です。

桁を間違えているのではありません。住んでいる地域によってこんなに差がある事にびっくりしませんか?
寝台車や霊柩車、料理や返礼品もご家族ごとに違います。寝台車は病院までの距離で変わりますし、霊柩車は火葬場までの距離で決まります。返礼品や料理は会葬者の人数、用意する品物や料理の種類によって、もちろんそれぞれ違いますので、「総額〇〇円!」などの価格表示に入れること自体が実はおかしな話しだったりするのです。(すべてのご家族が同じ病院だったり、同じ食事や返礼品を選ぶことはあり得ませんよね)
以上をふまえて、弊社ではお客様の希望や葬儀の形式を聞かずして安易に総額の料金提示はいたしません。一つひとつ項目ごとに説明をしていきます。
もし、他社様で相談した時に希望も聞かれていないのに金額の提示があった時は、何がどこまで含まれているのかをしっかり確認することが大切です。

私は葬儀社に勤めてから葬儀料金の仕組みを覚えたのですが、なんとも複雑だなぁ…と思いました。
地域によって火葬料金に大きな差があることも初めて知りました。ですので、消費者の皆さんにはきちんと説明をして費用の内訳と仕組みをご理解いただきたいのです。
金額表示だけを比べて葬儀を依頼することが一番危険です。後々、追加費用が多く生じては大切なご葬儀も何となく腑に落ちなくなります。

それでは今日のまとめです。
★表示されている金額の大小だけで葬儀の総費用は決まりません。
★おもてなしやお振舞いを用意するか否かで費用は大きく異なります。
★式場費用、火葬費用等も確認しましょう。
★葬儀社がしっかりと希望をヒアリングしてくれているかを感じてみてください。説明が少なすぎる葬儀社は実は要注意なのです。